15 こうして数日たつと、私たちは旅仕度をして、エルサレムに上った。
16 カイザリヤの弟子たちも幾人か私たちと同行して、古くからの弟子であるキプロス人マナソンのところに案内してくれた。私たちはそこに泊まることになっていたのである。
17 エルサレムに着くと、兄弟たちは喜んで私たちを迎えてくれた。
18 次の日、パウロは私たちを連れて、ヤコブを訪問した。そこには長老たちがみな集まっていた。
19 彼らにあいさつしてから、パウロは彼の奉仕を通して神が異邦人の間でなさったことを、一つ一つ話しだした。
「エルサレムに着くと、兄弟たちは喜んで私たちを迎えてくれた」。一行は、五旬節の祭りの前にエルサレムに着いた。この聖句から、一行がエルサレムの信者たちから歓迎されたことが分かる。
「次の日、パウロは私たちを連れて、ヤコブを訪問した。そこには長老たちがみな集まっていた。彼らにあいさつしてから、パウロは彼の奉仕を通して神が異邦人の間でなさったことを、一つ一つ話しだした」。(1)「次の日」とは、恐らく、五旬節の祭りの2 日前であろう。パウロは、一行を連れてエルサレム教会のリーダーであるヤコブを訪問した。(2)この時期になると(紀元57 年)、12 使徒たちはエルサレムにはいなかった。彼らは、エルサレム以外の地で巡回伝道を展開していたからである。エルサレム教会は世代交代を経験し、ヤコブ(主イエスの弟)と長老たちによって導かれるようになっていた。(3)パウロの訪問は、予期されていたことである。エルサレム教会のリーダーたちがみな集まっていたことから、それが分かる。パウロがヤコブに会うのは、ほぼ5 年ぶりである。前回の会談は、使18:22(第二次伝道旅行の終わり)に出ていた。(4)パウロは、第三次伝道旅行で起こったことを証しした。その内容は、次の3 点に要約することができる。①異邦人がたくさん救われた。②それは神がなさったことである。③そのために自分が用いられた。
パウロはこの段階で、異邦人教会からの献金をささげた。使徒24:17 でパウロはこう語っている。「さて私は、同胞に対して施しをし、また供え物をささげるために、幾年ぶりかで帰って来ました」。ルカは献金に触れていないが、これはパウロにとっては重要なことであった。パウロは複数の書簡で、異邦人信者が貧しい母教会に献金をささげることに言及している(ロマ15:25 ~ 28、1 コリ16:1 ~ 4、2 コリ8:13 ~ 14、9:12 ~ 13、ガラ2:10 など参照)。
ルカがこの献金に触れていないのは、彼には別の執筆目的があったからである。ルカが伝えようとした視点(大局観)(perspective)は、次の2 つである。①エルサレム(ユダヤ人)は、福音を拒否した。②異邦人は、福音を受け入れた。この2 つのことが、パウロのエルサレム滞在中に次第に明らかになって行く。今の時代は、ユダヤ人が福音を受け入れつつある時代である。自分の人生について、また神の計画の進展ついて、大局観が与えられるように祈ろう。
きょうの祈り
天の父よ。今も、あなたのご計画は進展しています。私の人生について、あなたのご計画について、大局観を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
申命記3~4、マタイの福音書18
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