15 こうして数日たつと、私たちは旅仕度をして、エルサレムに上った。
16 カイザリヤの弟子たちも幾人か私たちと同行して、古くからの弟子であるキプロス人マナソンのところに案内してくれた。私たちはそこに泊まることになっていたのである。
17 エルサレムに着くと、兄弟たちは喜んで私たちを迎えてくれた。
18 次の日、パウロは私たちを連れて、ヤコブを訪問した。そこには長老たちがみな集まっていた。
19 彼らにあいさつしてから、パウロは彼の奉仕を通して神が異邦人の間でなさったことを、一つ一つ話しだした。
今パウロは、カイザリヤからエルサレムに行こうとしている。エルサレムに到着すると、第三次伝道旅行は終了する。この旅行は4,300 キロにも及んだ。そして、エルサレムで起こる出来事は、福音がローマ帝国内でさらに広がる原因となる。
聖書を読む際に意識すべきことは、視点(大局観)(perspective)である。①歴史は、複雑系の出来事として進展していく。②しかし、神の視点からは歴史は予定調和である。③パウロのエルサレム訪問は、キリスト教史の分岐点になる。つまり、福音がローマに伝わるための前奏曲になるということである。
「こうして数日たつと、私たちは旅仕度をして、エルサレムに上った。カイザリヤの弟子たちも幾人か私たちと同行して、古くからの弟子であるキプロス人マナソンのところに案内してくれた。私たちはそこに泊まることになっていたのである」。(1)カイザリヤからエルサレムまでは、馬(徒歩)で2 日の旅である。カイザリヤから南東に約100 キロ行くとエルサレムに着く。パウロは、五旬節の祭りの前にエルサレムに着く必要があった。(2)「私たち」とは誰か。①パウロとその同行者たち(ルカも含まれる)である。②カイザリヤの教会の代表者たちも同行した。(3)カイザリヤの信者たちは、一行をマナソンの家に案内した。①マナソンの家は、カイザリヤとエルサレムの間にあり、一行はそこで一泊した。②「古くからの弟子であるキプロス人マナソン」とある。マナソンは、バルナバと同じくキプロス島出身である。③五旬節のペテロのメッセージで信者になった3 千人の一人だと思われる(使2:41)。④あるいは、ペテロの別のメッセージで信者になった5 千人の一人である可能性もある(使4:4)。⑤マナソンは、ヘレニストのユダヤ人である。つまり彼は、ユダヤ人信者と異邦人信者が混在するグループを、もてなすことができる人物である。
当時存在していた信者のネットワークに注目しよう。パウロの一行は、カイザリヤの信者たちの導きで、マナソンの家の客となった。私たちの周りには、私たちの助けを必要としている主にある兄弟姉妹たちが多くいる。また私たち自身も、他の信者たちの励ましや助けを必要としている。交わりを妨げる種々の壁が低くされるように祈ろう。一つでもよい、何か具体的な行動を起こそうではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。教会とは、互いに励まし助け合う共同体です。どうか、交わりを妨げる種々の壁が低くされますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
申命記1~2、マタイの福音書17
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