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使徒の働き21:1 ~ 6

1 私たちは彼らと別れて出帆し、コスに直航し、翌日ロドスに着き、そこからパタラに渡った。

2 そこにはフェニキヤ行きの船があったので、それに乗って出帆した。

3 やがてキプロスが見えて来たが、それを左にして、シリヤに向かって航海を続け、ツロに上陸した。ここで船荷を降ろすことになっていたからである。

4 私たちは弟子たちを見つけ出して、そこに七日間滞在した。彼らは、御霊に示されて、エルサレムに上らぬようにと、しきりにパウロに忠告した。

5 しかし、滞在の日数が尽きると、私たちはそこを出て、旅を続けることにした。彼らはみな、妻や子どももいっしょに、町はずれまで私たちを送って来た。そして、ともに海岸にひざまずいて祈ってから、私たちは互いに別れを告げた。

6 それから私たちは船に乗り込み、彼らは家へ帰って行った。

パタラからツロへ

大型船に乗り換え

(1)パタラからツロへの船旅。一行は、パタラで大型船に乗り換えることができた。「そこにはフェニキヤ行きの船があったので、それに乗って出帆した」とある。これは、鉄道の旅で言えば、各駅停車から急行に乗り換えたようなものである。この大型船は、パタラから640 キロ先のツロまで直行する船便である。恐らく、穀物か果物を運ぶ輸送船であろう。パタラからツロまでは、地中海を横断する約5 日間の船旅である。フェニキアは、シリアの海岸地帯のことである(現在のレバノンに当たる)。その中心都市が、商業都市のツロである。当時の船旅は、目的地に向かう船を見つけ、それに乗るしかなかった。つまり、船の航行の予定に従うしか方法はないということである。
(2)ツロに上陸。一行は、約5 日後にツロに上陸した。「やがてキプロスが見えて来たが、それを左にして、シリヤに向かって航海を続け、ツロに上陸した。ここで船荷を降ろすことになっていたからである」。この船は、キプロス島の南側を航行した。キプロス島はバルナバの故郷で、第一次伝道旅行の最初の訪問地であった。パウロはその島影をながめながら、これまでの伝道の歩みと主の恵みを思い出していたことであろう。キプロス島は思い出深い地ではあるが、今回はそこには立ち寄らなかった。先を急いでいたからである。
(3)ツロに滞在。ツロで船が停泊した。船荷を降ろすためである。パウロは先を急いでいたが、自分で予定を組むことはできなかった。パウロは、トロアスで7 日間留まったことがあるが、ツロで7 日間滞在した理由も、同じことである。しかしパウロは、船が停泊する日数を有効に活用した。ツロの兄弟たちとの交わりは、予想外の祝福となる。
私たちの日々の歩みも、自分ではどうすることもできない要因によって停滞させられることがある。しかし、その状況と戦う必要はない。与えられている条件と時間の中で、神が用意された祝福を見出す人は幸いである。時間の管理(タイム・マネージメント)は重要だが、神のタイム・マネージメントは、人間の思いをはるかに超えた祝福をもたらすものである。神の時を意識しながら歩もう。

きょうの祈り

全知全能なる神よ。すべてのことには時があります。いかなる状況の中でも、あなたの時と、祝福を見出すことができるよう導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

民数記23~24、マタイの福音書12