7 週の初めの日に、私たちはパンを裂くために集まった。そのときパウロは、翌日出発することにしていたので、人々と語り合い、夜中まで語り続けた。
8 私たちが集まっていた屋上の間には、ともしびがたくさんともしてあった。
9 ユテコというひとりの青年が窓のところに腰を掛けていたが、ひどく眠けがさし、パウロの話が長く続くので、とうとう眠り込んでしまって、三階から下に落ちた。抱き起こしてみると、もう死んでいた。
10 パウロは降りて来て、彼の上に身をかがめ、彼を抱きかかえて、「心配することはない。まだいのちがあります」と言った。
11 そして、また上がって行き、パンを裂いて食べてから、明け方まで長く話し合って、それから出発した。
12 人々は生き返った青年を家に連れて行き、ひとかたならず慰められた。
(1)「ユテコというひとりの青年が窓のところに腰を掛けていた」。部屋の換気をよくするために、窓を開け放していたのである。窓辺に座ると、新鮮な空気を吸うことができる。そこは特等席であるが、危険な場所でもある。「青年」は、ギリシア語で「ネアニアス」である。これは、8 ~ 14歳くらいの男子を指す言葉だが、同時に、「しもべ」と訳すことも可能である。「ユテコ」(英語でEutychus)は、典型的な奴隷の名である。恐らく彼は、奴隷だったのだろう(30代前後の男性か)。ユテコという名前の意味は、「幸運」である。もし彼が奴隷なら、一日の労働を終えて、この集会に来ていたことになる。(2)「ひどく眠けがさし、パウロの話が長く続くので、とうとう眠り込んでしまって、三階から下に落ちた」。ユテコが眠り込んだ理由は何か。①肉体的に疲れていた(当時は、日没とともに休み、夜明けとともに起きた)。②部屋の環境が、眠気を誘うものであった。③食後だったので、眠くなった。④食事の後で始まったパウロの話が長かった。(3)「抱き起こしてみると、もう死んでいた」。ユテコが下に落ちたので、集会は中断された。人々が急いで階下に降りて行くと、ユテコは死んでいた。医者のルカがそう証言しているので、それ以外の解釈は成り立たない。
人間的には、ユテコが眠り込んだことには同情の余地があるが、神の評価基準は厳しいものであることを覚えよう。聖書の教えを見てみる。(1)ヨナ1:5 ~6(リーダーの無責任さ)。ヨナは、嵐が襲って来た時に、船底で眠っていた。(2)マタイ26:40 ~ 41(神の時への鈍感さ)。弟子たちは、ゲツセマネの園で眠りこけていた。(3)マルコ13:36 ~ 37(終末論への無関心)。主人が不意に帰って来た時、眠っているのを見られないようにすべきである。(4)エペソ5:14(イザヤ書のいくつかの聖句をまとめたもの)。「明らかにされたものはみな、光だからです。それで、こう言われています。『眠っている人よ。目をさませ。死者の中から起き上がれ。そうすれば、キリストが、あなたを照らされる』」。(5)1 テサロニケ5:6(終わりの時をいかに生きるべきか)。「ですから、ほかの人々のように眠っていないで、目をさまして、慎み深くしていましょう」。
「目をさましている」には、①肉体的意味と②霊的意味があり、両者を切り離すことはできない。眠りこけないように、自分自身を見張ろうではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。御子イエスにあって昼の子とされました。だからこそ、いつも目をさましていることができるよう助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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レビ記24 ~ 25、マタイの福音書4
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