28 そう聞いて、彼らは大いに怒り、「偉大なのはエペソ人のアルテミスだ」と叫び始めた。
29 そして、町中が大騒ぎになり、人々はパウロの同行者であるマケドニヤ人ガイオとアリスタルコを捕らえ、一団となって劇場へなだれ込んだ。
30 パウロは、その集団の中に入って行こうとしたが、弟子たちがそうさせなかった。
31 アジヤ州の高官で、パウロの友人である人たちも、彼に使いを送って、劇場に入らないように頼んだ。
デメテリオの演説を聴いて、職人たちや同業者たちは激怒した。その上に群衆まで騒動に加わった。
「そう聞いて、彼らは大いに怒り、『偉大なのはエペソ人のアルテミスだ』と叫び始めた。そして、町中が大騒ぎになり、人々はパウロの同行者であるマケドニヤ人ガイオとアリスタルコを捕らえ、一団となって劇場へなだれ込んだ」。(1)なぜ大騒ぎになったのか、その理由を考えてみよう。①エペソの経済自体が不景気になっていたので、人々は煽動され易かった。エペソの港は、衰退しつつあった。②アルテミス神殿は、エペソ市民の誇りであった。その誇りが傷つけられた。③暴動を起こしている者たちは、何が問題なのかも知らないで騒いでいた。これは、群集心理の典型である。④パウロがいないので、彼の同行者であるマケドニア人ガイオとアリスタルコが捕えられた。アリスタルコは、テサロニケ出身である(使20:4)。(2)煽動者たちは、アルカディア通りから劇場に暴徒たちを導いた。現在、アルカディア通りと劇場の遺跡が発掘されているが、この劇場はアジアで最大規模の劇場である(半円形、5万人収容)。
「パウロは、その集団の中に入って行こうとしたが、弟子たちがそうさせなかった。アジヤ州の高官で、パウロの友人である人たちも、彼に使いを送って、劇場に入らないように頼んだ」。(1)パウロは、どこか別の所にいたので、捕らえられなかった。パウロが暴徒たちの中に入って行こうとしたのは、同労者を救い、この機会を伝道に用いようとしたからである。(2)危険を察知した信者たちは、パウロが暴徒の中に入ることを許さなかった。(3)「アジヤ州の高官」は、ギリシア語で「アジアーケイス」である。英語では、「some of the officials of the province」となる。この職責は、町の政治と宗教を管理するために設けられていた。複数の高官たちは、パウロの友人でもあった(アジア州の高官たちが友人だという情報は、裁判で有利な資料になる)。その彼らも、パウロが劇場に入らないように懇願した。
神は、①パウロの友人たち、②アジア州の高官たち、③町の書記役(先に行ってから取り上げる)を通して、パウロの安全を確保された。この人たちは、試練の中でも神の守りがあることの証明である。神は、「試練からの自由」ではなく、「試練の中での平安」を私たちに約束しておられる。試練の中で神の守りの御手を見る人は、幸いである。
きょうの祈り
全知全能なる神よ。あなたは、あらゆる方法を通して、試練の中にある子らを守ってくださいます。試練の中であなたの平安を求めます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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レビ記12 ~ 13、ヨハネの福音書21
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