8 それから、パウロは会堂に入って、三か月の間大胆に語り、神の国について論じて、彼らを説得しようと努めた。
9 しかし、ある者たちが心をかたくなにして聞き入れず、会衆の前で、この道をののしったので、パウロは彼らから身を引き、弟子たちをも退かせて、毎日ツラノの講堂で論じた。
10 これが二年の間続いたので、アジヤに住む者はみな、ユダヤ人もギリシヤ人も主のことばを聞いた。
11 神はパウロの手によって驚くべき奇蹟を行われた。
12 パウロの身に着けている手ぬぐいや前掛けをはずして病人に当てると、その病気は去り、悪霊は出て行った。
エペソのツラノの講堂における奉仕は2年続いた。その間、様々な奇跡が起こった。「神はパウロの手によって驚くべき奇蹟を行われた」。病人の癒しは、エペソ伝道に伴った神の御業である。これらの奇跡は、パウロに癒しの能力が備わっていたことを示しているのではない。驚くべき力あるわざを行っているのは、神御自身である。パウロは、自分の思い通りに癒しを行えたわけではない。そのことは、パウロ書簡の中に書かれている内容からも明らかである。パウロは、こう書いている。「また、その啓示があまりにもすばらしいからです。そのために私は、高ぶることのないようにと、肉体に一つのとげを与えられました。それは私が高ぶることのないように、私を打つための、サタンの使いです。このことについては、これを私から去らせてくださるようにと、三度も主に願いました」(2 コリ12:7 ~ 8)。あるいは、こうも書いている。「これからは水ばかり飲まないで、胃のために、また、たびたび起こる病気のためにも、少量のぶどう酒を用いなさい」(1テモ5:23)。「エラストはコリントにとどまり、トロピモは病気のためにミレトに残して来ました」(2 テモ4:20)
「パウロの身に着けている手ぬぐいや前掛けをはずして病人に当てると、その病気は去り、悪霊は出て行った」。(1)パウロの身に着けていた手ぬぐいや前掛けを病人たちに当てただけで、彼らは癒された。使用したのは、天幕職人の手ぬぐいや前掛けである。この奇跡では、病気が間接的方法で癒された。また、悪霊も出て行った。(2)これらの奇跡は、パウロが語るメッセージを保証するための「しるし」である。ここには、ペテロの奉仕との類似性が見られる(使5:15 ~16 参照)。(3)ここで悪霊の追い出しが出て来るのは、説明を次の箇所(スケワの7人の息子たちのエピソード)につなげるためである。
この箇所から学ぶべき教訓は、以下の点である。①手ぬぐいや前掛けに神秘的な力があったわけではない。②これらの奇跡は、神の力が顕著に表れたということを証明する外的証拠である。迷信や魔術が横行していたエペソでは、これらの「しるし」が必要であった。③今日、手ぬぐいや前掛けを病人に当てても、なんの意味もない。④聖書を読みながら、自分に適用すべき箇所とそうでない箇所を判別することを学ぼう。日々のデボーションにおいて、聖霊の助けと導きがあるように祈ろう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか、聖書のことばを正しく適用することができるよう、聖霊によって助け導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
出エジプト記29 ~ 30、箴言6~7
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